積算価格とは、不動産の価値をはかる方法の1つです。
不動産に投資するかどうかを判断する際の重要な基準の1つです。
どうして重要かと言うと、金融機関が積算価格を不動産の評価をする時に使用しているためです。
もう1つは、割安かどうかの基準になるからです。
積算価格>販売価格
となっていれば割安の目安です。
しかし、インターネットで情報交換や情報収集が容易になったことや
副業大家さんが激増していることもあり
売り手にも買い手にも周知のことになってしまっていて
まともな割安物件はほとんどありません(今のところ)。
そもそも不動産屋のことを千三つ屋と言って、
千の取引のうち三つくらいしか成立しない根気のいる商売と表現されます。
逆に粘るとその三つに当たる可能性があるということです。
不動産に関わるなら根気が不可欠です。
積算価格の計算方法
では、本題です。積算価格の計算方法を解説します。
まず、積算価格とは
積算価格=土地の価格+建物の価格
となります。
土地と建物で計算方法が異なるので、それぞれ説明します。
土地の積算価格
計算式は次のようになります。
土地の積算価格 = 相続税路線価 ✕ 面積 ✕ 掛け目(50%~80%)※
※掛け目は金融機関によって異なります。
路線価は、国税庁の財産評価基準書路線価図・評価倍率表を使って算出します。
http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm
例えば、200㎡の土地の路線価が430Eとなっているときの土地の積算価格を計算してみましょう。
430:1㎡当りの路線価で単位は千円。つまり、43万円/㎡ということ。
E:借地権割合のこと。A~Gまであり、Aの90%から10%ずつ減っていき、Gが30%となります。借地の場合はこの割合を掛けます。
よって、この土地の積算価格の概算は、430千円✕200㎡=86,000千円(8,600万円)に掛け目をかけた金額となります。
厳しめの50%で計算すると43,000千円(4,300万円)となるわけです。
あくまで1次的な判断をするためのざっくり計算で、実際には土地ごとの個別の特徴に応じた加点・減点があります。
金融機関はそういった点も含めてもう少し細かい評価をしているはずです。
建物の積算価格
続いて建物の計算式です。
建物の積算価格 = 1㎡当り再建築コスト(再調達価額) ✕ 延床面積 ✕ (残りの耐用年数 ÷ 耐用年数)
再建築コストは、金融機関ごとに異なりますので、構造別の大体のコストを元に計算します。
このような予測や事業計画を立てる時は、甘めの設定しても意味がありませんので
厳しめに計算しておくのが良いと思います。
例)延床面積300㎡、木造築15年のアパートの建物評価額を厳しめで計算してみます。
12万円 ✕ 300㎡ ✕ (22年-15年)÷22年 =1,145万円
先ほど計算した土地の積算価格4,300万円と足し合わせると5,445万円となりました。
これが仮に5,000万円で売りに出されていれば、割安と判断できるわけです。
この計算は、物件資料がさほど揃っていなくても構造と面積(土地と延床)とさえあれば自分で調べられる