悪質商法・悪徳商法、詐欺の手口と対策

①家計見直し・ライフプラン
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悪徳商法から資産を守る

日々巧妙になる悪質商法・悪徳商法。あなたも気付かないうちに巻き込まれているかもしれません。SMS、メール、ハガキ、電話、訪問、あるいは知人からの紹介、360度どこからでもやってきてどれも突然やってきます。

せっかく頑張って積み上げた資産が一瞬にして奪われないように、最新の手口がどのようなものかを知っておくこと、他人ごとではないという意識、もちかけられたお金の話はまず疑問を持つということが大切です。

そして、被害に合った時のために、どこに相談・連絡(通報)すればよいかも知っておきましょう。

ということで、悪質商法でどのような被害が多いのか、どのような対策をとればよいかをまとめてみました。

悪質商法の現状

まずは、悪質商法について、どのような被害や相談があっているのか、公表されている情報を基に見ていきましょう。

  • 消費生活年報2022によると、2021年に全国の消費生活センター等の消費生活相談(苦情相談)件数は、84.4万件です。コロナの影響が大きかった前年に比べると約10万件減少していますが、10年ほど前から90万件前後で大きく増えることもなく減ることもないような状態が続いています。

下の表は販売方法・手口別にみた相談件数の上位10件です。

販売手法・手口別消費生活相談件数上位10 1 インターネット通販 187,169 2 定期購入 60,981 3 家庭訪販 51,941 4 電話勧誘販売 38,620 5 かたり商法(身分詐称) 20,820 6 代引配達 20,466 7 無料商法 16,659 8 サイドビジネス商法 15,380 9 フィッシング 12,025 10 ワンクリック請求 11,076 出典:国民生活センター「消費生活年報2022」

 

警察への相談件数の見てみましょう。警察が受理した相談件数等は次のとおりです。(データ出所:警察庁生活安全局「令和3年における生活経済事犯の検挙状況等について」)

特定商取引等・利殖勧誘事犯の相談件数 (件) 特定商取引 8,646 利殖勧誘 3,109

2021年の特定商取引法等事犯の相談件数は8,646人、利殖勧誘事犯に関する相談件数は3,109人でした。

利殖勧誘とは、手持ちのお金を増やしたいという利殖願望につけ込んで、未公開株、社債、ファンド、外国通貨等の取引を装って「値上がり確実」「絶対に損はしない」「元本は保証する」などといって勧誘し、購入代金や出資金をだまし取る商法(引用:警察庁HP

特定商取引法等の取引内容別の内訳は、訪問販売が全体の35%、次いで通信販売27%、電話勧誘販売15%となっていて、生活センターへの相談とは内容の違いがあることがわかります。

前年よりは件数が減っていますが、5年前と比べると1.6倍になっています。

相談者の年齢は、65歳以上が43.9%で最多です。次いで50代(14%)、40代(10%)と続いています。

利殖勧誘は、5年間増加が続いており、5年前と比べて2.4倍、前年からも1.7倍増となっています。

相談者の年齢は、20代・30代・40代がほぼ横並びでいずれも18%です。この3世代だけで半数以上を占めることになります。

悪質商法の販売方法・手口等

独立行政法人国民生活センターへの相談件数の多い悪質な商法・悪徳な商法の種類は以下のようなものがあります。一緒に対策も考えてみました。ほとんどは普段からの心構えとお金の知識でなんとかなると思います。

インターネット通販

インターネット等を利用した取引。取引数が急拡大したことによりトラブルも増えていると思われます。インターネット通販=悪ではありません。

 

【対策】口コミをチェックすること、返品・返金手続きが簡単にできるかどうかを確認すること、問い合わせをしたときにはやり取りの履歴を残しておくことが大切です。

個人間売買であれば、エスクロー決済を採用しているサービスを利用するなどです。エスクロー決済とは、メルカリのように、購入者と販売者の間に入って取引を進めることで、支払がされない、商品が届かない、あるいは違う商品が届いたなどのトラブルを防ぐしくみです。

フィッシング詐欺

インターネットバンキングやクレジットカード、有名企業のサービス(楽天やAmazon、イオン、JRなど)になりすまして、個人情報をだまし取る詐欺です。Eメールやショートメッセージ(SMS)で送られてきます。

受信したメールには注意が必要です。怪しいメールにはクリックや添付ファイルの開封を避け、送信元や内容を確認しましょう。なりすましや詐欺の可能性もあるため、慎重に読むことが大切です。SPFなど送信ドメイン認証技術や迷惑メールフィルターの利用も有効です。返信せずに無視することが最善策で、詐欺師に返信すると被害が拡大する可能性があります。警戒心を持ち、メールの取り扱いに注意しましょう。

詐欺メールや迷惑メールが届いたらここ↓で情報提供しましょう。

情報提供のお願い | 迷惑メール相談センター
迷惑メール相談センターでは、総務省より委託を受けて、特定電子メール法に違反する迷惑メールに関するご相談や情報を受付けております。ご提供いただいた違反情続く

 

電話勧誘販売

販売業者が消費者に電話をかけ又は特定のやり方で電話をかけさせ、その電話における勧誘により、郵便等で契約締結する販売方法。

【対策】突然電話してくる人は、無礼な人だと思うことです。

 

ワンクリック請求

パソコンや携帯電話でアダルトサイトにアクセスしたところ、いきなり「登録ありがとうございます」などと表示され、高額な料金を請求されるという商法。

【対策】慌てない、焦らないことです。書いていることを読まずに消しましょう。2度とそのページは見ないように。

 

家庭訪問

販売業者が、消費者宅を訪問し、商品やサービスを販売する方法。

【対策】知らない人を信じちゃ(ついていったら)ダメです。子供の時に習いました。

 無料商法

無料「サービス・招待・体験」、無料「閲覧」など、「無料」であることを強調して

勧誘し、最終的に商品やサービスを契約させる商法。

 

【対策】すべてが悪徳とは限らないのですが、「どうして無料なのだろう?、この人たちは何が狙い?(どうやってご飯を食べている?)」と考えたり調べてみるようにしてください。

ファイナンシャルプランナーの無料相談・無料セミナーは非常に多いですが、たいてい生命保険を販売しています。理解・納得した上で参加してください。脅されたら、通報しましょう(できれば録音・録画)。

 

利殖商法

「値上がり確実」「必ずもうかる」など、利殖になることを強調して、未公開株、ファンドなどへの投資や出資を勧誘する商法。

【対策】少しお金の勉強をすればわかることです。必ず・絶対はありません。

預金利息は0.2%前後、上場企業の配当利回りは1.5%~2%、JREITが4%前後です。それ以上の金利は、それなりのリスクがあるということを理解しましょう。

ローリスクハイリターンあるいはノーリスクハイリターンはありえません。

劇場型勧誘

「代わりに購入すれば高値で買い取る」等と立場の違う複数の業者が「未公開株、社債、実態不明のファンド、金融商品まがいの権利」等を電話で勧誘する商法。(利殖商法のトラブルに多く見られる。)

【対策】何かを売りに来る人は全員怪しいと思いましょう。意味が理解できないものは、手を出さないことがお金を無駄にしないための鉄則です。

被害にあった人を勧誘(二次被害)

一度被害にあった人を再び勧誘し二次的な被害を与えること。

【対策】1度目の被害にあわないように気を付けるしかないかもしれません。家族がいる場合は、自分以外の人に管理をお願いしてみるとか、必ず家族1人以上の賛成がないとお金の支払いをしない・ハンコを押さないなど決め事を作っておくなどしてみてはどうでしょうか。

 

販売目的隠匿

商品やサービスの販売であることを意図的に隠して消費者に近づき、不意打ち的に契約させようとする販売方法。

【対策】無料商法と同じです。もしかしたら、1回ではとどめをさしてこないで、周到に関係を築いてから仕掛けてくる可能性があります。

当選商法

「当選した」「あなただけが選ばれた」などと特別な有利性を強調して消費者に近づき、商品やサービスを販売する商法。

【対策】冷静に考えてください。

本当に必要なものかどうかを考えてください。

あなただけ商法:銀行員が顧客にあなただけにこっそり投資話を教えるといって、お金をだまし取っていた事件がありました。

みずほ行員「 巨額詐欺」事件ーー初公判で語られた「エリート行員の転落人生」(弁護士ドットコム) – goo ニュース

マルチ取引

商品・サービスを契約して、次は自分が買い手を探し、買い手が増えるごとにマージンが入る取引形態。買い手が、次にその販売組織の売り手となり、組織が拡大していく。

【対策】儲け話は人から来る(もらう)ものではありません、と知っておくことです。

次々販売

一人の消費者に次から次へと契約させる商法。同じ商品または異なる複数の商品を

次々に契約させるケースや、複数の業者が次々に契約させるケースなどがある。

 

サイドビジネス商法

「内職・副業(サイドビジネス)になる」「脱サラできる」などをセールストークに何らかの契約をさせる商法。時代の流れで副業をする人・関心を持つ人が増えたのえ、「楽して儲かる」

【対策】儲け話は人から来る(もらう)ものではありません、と知っておくことです。

かたり商法(身分詐称)

販売業者が、有名企業や、市役所・消費生活センターなどの公的機関、的確消費者団体の職員又はその関係者であるかのように思わせて商品やサービスを契約させる商法。

【対策】その組織に確認の電話を入れることです。僕は警察官に制服姿で手帳見せられても本物かどうかわからないので、電話して在籍確認します。

点検商法

「点検に来た」「無料で点検する」などと言って消費者宅を来訪し、「水質に問題がある」「布団にダニがいる」など、事実と異なることを言って商品やサービスを販売する商法。

 

景品付き販売

「契約すれば景品を付ける」など、景品を付けることを手段にしている販売勧誘の商法。

 

ネガティブ・オプション(送り付け商法)

契約を結んでいないのに商品を勝手に送ってきて、受け取ったことで、支払い義務があると消費者に勘違いをさせて代金を支払わせようとする商法。

 

アポイントメント・セールス

「抽選に当たったので、景品を取りに来て」「特別なモニター選ばれた」などと販

売目的を明らかにしないで、又は著しく有利な条件で取引できると言って、電話や郵便等で喫茶店や事務所等へ呼び出し、契約しないと帰れない状況にするなどして商品やサービスを契約させる商法。

 

訪問購入

購入業者が、消費者の自宅等営業所等以外の場所において、売買契約の申し込みを受け又は売買契約を締結して物品を購入する方法。事業者に着物の買い取りきてもらったが、貴金属の買い取りを執拗に要求された等。

 

紹介販売

商品やサービスを購入した人に、知人など他の人を紹介させることによって販売を拡大するシステム。

 

悪質商法への国の対応

消費者が、①訪問販売、②通信販売、③電話勧誘販売、④連鎖販売、⑤特定継続的役務提供、⑥業務提供誘因販売取引、⑦訪問購入等の取引により損害を受けるケースが後を絶たず、消費者の泣き寝入りが多数発生し社会問題となりました。このため国は、取引方法の公正化と消費者の損害防止を図るため昭和51年に「特定商取引法」を制定しました。その後も新たな問題や被害発生が続き、その都度、法改正を行ってきています。

 

悪質商法の相談窓口

消費者の被害に係る相談窓口は、市町村には消費生活相談所(室)、都道府県には消費生活センタ-が、また国には独立行政法人国民生活センターが設置されており、住民(国民)への啓発活動のほか、トラブルの苦情・相談を受け付け、トラブル解決の指導・助言を行っています。

最寄の相談窓口につながるホットライン「188(いやや)」に連絡しましょう。

画像:「消費者ホットライン」は188番。全国共通の電話番号。
出典:消費者庁HP(https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/)

また、警察署においては、悪質商法の被害にあわないための啓発を行うとともに、被害について相談を受理し、法律違反や詐欺恐喝等の犯罪行為について検挙等の対応がなされています。

一般財団法人 日本データ通信協会・迷惑メール相談センター

迷惑メール相談センター | デ協
迷惑メール相談センターでは、総務省より委託を受けて、特定電子メール法に違反する迷惑メールに関するご相談や情報を受付けております。ご提供いただいた違反情続く

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新規ウィンドウで開きます。一般財団法人 日本データ通信協会・迷惑メール相談センター(外部サイト)

おわりに

悪質商法や詐欺に引っかかる人のほとんどの人が自分は大丈夫と思っていた人なのだそうです。また、被害にあっても誰にも言えないことがさらに傷を広げていくことになります。

心がけも重要ですが、悪い人達は(しかも法律を熟知し隙間を突きかつ皆さんの取る行動を想定した上で)突然やってきますし、警戒されていることを想定して近づいてきます。

常にお金の感覚を磨き、リテラシーを高めるための努力をすること(お金の勉強をする)、身近な人たちとコミュニケーションを取っておくこと、そして悲しいですが人を信じすぎないことが、資産を守るためには大事なのだと思います。

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