新型コロナウイルスの影響は続きます。
政府や自治体の緊急支援策で急場をしのいだこともあり、
不動産投資市場では目に見えた大きな変化はないと思われます。
着工住宅戸数
出典:国土交通省「建築着工統計」https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/jouhouka/sosei_jouhouka_tk4_000002.html
まずは着工住宅戸数です。2020年3月の着工戸数は対前年マイナスではありますが、
過去5年を比べるとまだコロナの影響かどうかは不明です。
経済への影響
1.外国人旅行客
2.REITのキャップレート
3.小売店の動向
外国人旅行客のインバウンドがほぼゼロに
商業・宿泊施設・小売店・飲食店 売上↓
2020年4月の海外からの旅行客は99.9%減。全国で3千人ほど。
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/200520_monthly.pdf
福岡
入国管理局のデータによると2020年4月に福岡空港・北九州空港から入国した外国人は32人(うち旅行者がどれくらいいたのかは不明)でした。
これまでは毎月2-30万人が福岡を訪れていました。
MERS・SARS(マーズ・サーズ)のときは収束後、すぐに外国人観光客数が戻りましたが、
今回のコロナウイルスは感染者数はまだ増え続けている国があり、収束への見通しは立っていません。
オフィス需要減少?
テレワークなど働き方が変わりオフィス需要が減るという予測がありますが、
ソーシャルディスタンスにより一人当たりの面積は広くなるという考え方もあります。
2020年5月時点のREITのCaprateは低下を続けていて、稼働率に変化はありません。
出典:株式会社ICHI「キャップレートマップ」https://www2.capratemap.com(2020年5月21日抽出)
百貨店・ドラッグストア・コンビニ
出典:以下を基に著者作成
https://www.imhds.co.jp/ja/ir/ir_news/index.html㈱コスモス薬品ホームページIR情報
https://www.cosmospc.co.jp/ir/(一社)日本フランチャイズチェーン協会 コンビニエンスストア統計データ
岩田屋三越とドラッグコスモス、そしてコンビニの売上伸び率(前年同月比)の推移をグラフにしました。百貨店はコロナ前から売上減少が続いていて、コロナが追い討ちをかけた形です。
ドラッグストアも劇的に売上を伸ばしているわけではありません。コンビニについては、売上は減少していますが、客単価は伸びているそうです。業態ごとに違いが出てきています。小売業に限らず、コロナを境に変化があるので、不動産を持つ人たちも想像力を膨らませないといけないですね。
金融への影響
日銀の貸出先別貸出金の推移をみると、個人大家業への貸出額残高は3年間ほぼ横ばい。
不動産業向けはペースダウンも増加を続けています。
不動産投資を新たに始める人にとっては厳しい資金調達環境ですが、コロナ前後で金融機関の方針が大きく変わった様子はないようです。今後、(不動産に限らず)貸し倒れが増えていくことになれば金融機関は態度を変えることになるでしょう。
まとめ
4-6月に(福岡の)個人不動産投資マーケットは変わらずです。値下がりを狙う元気な不動産投資家たちがたくさんいるので、いい物件を探し求め、いい物件があれば即買うというのは変わらないです。が、今後の生活スタイルや働き方が大きく変わることを踏まえて、運用計画の見直しを行うのが良いと考えます。