給与・ボーナス減少時の住宅ローン返済
住宅ローンの返済中の人が、長引く新型コロナウイルス感染症の流行の影響を受け、給与・賞与が減少する・あるいは収入が無くなった人がどのように乗り切るべきか、対処法をまとめてみました。
1.住宅ローンの借入をした金融機関に相談する
まずは、新たな借入を増やす前に、今借りている金融機関に相談することが最優先です。
必ず滞納する前に相談してください。すでに滞納していてもとにかく相談です。
金融庁がこのような文書を出しています。
金融庁-新型コロナウイルス感染症の影響による資金繰りやローン返済等でお困りの皆さまへ
金融庁から金融機関に対しては、配慮しなさいという要請がされていて、
金融機関側では無条件で1年間返済据え置きなどの対応がされています。
ボーナス減少については、条件変更の手数料無料化などさらなる要請がされる模様で新たな支援策が出てくるかもしれません。
金融庁-新型コロナウイルス感染症の影響による資金繰りやローン返済追加要請
とにかく(滞納する前に・借入を増やす前に)必ず借入先の金融機関に相談するということです。
2.公的な支援を受ける
現時点で「住宅ローンを返済する資金が足りない!」という時に使える支援策
(1)新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
<対象>
中小企業に雇用されている労働者で、事業主の指示で休業したが休業手当がもらえていない人が対象です。
休業月によって申請締切日があります。未申請の休業月がある場合は急ぎ申請を行いましょう。
?日雇いの方やフリーランス(個人事業主)は対象外
?中小企業とは
<支給額>休業前賃金の8割(日額上限 11,000 円)を支給されます。
<要件>事業主の指示により所定労働日に労働者を休ませたが、休業手当を支給していない場合
?証明するために支給要件確認書の作成が必要(事業主の確認が必要ということ)。
?シフト制でも対象になるか、事業主が手当を支給していないことで罰せられるから証明を出せないと言われているなどの疑問点・不明点は、厚生労働省のQ&Aで確認できます。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000678084.pdf
<申請方法>郵送またはインターネット(オンライン申請)
郵送申請の人はこちら(厚労省ホームページ(HP)):https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html#yuusoushinsei
オンライン申請(厚労省HP):https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html#onlineshinsei
(2)社会福祉協議会の緊急小口資金、総合支援資金【借入】
社会福祉協議会が窓口の借入制度です。新型コロナの特別枠が令和3年3月末まで受付期間が延長されています。
借入ができる金額の上限は次のとおりです。
単身世帯:最大で65万円<(15万円×3カ月(総合支援)+20万円(緊急小口)>
2人以上世帯:最大で80万円<(20万円×3カ月(総合支援)+20万円(緊急小口>
<申請方法>
各地の社会福祉協議会に申請します。
必要書類は、
・印鑑、住民票、身分証明書(運転免許証などのコピー)の他に、給与・収入が減ったことや失業したことがわかる資料などです。詳細は各社会福祉協議会に確認してください。
(3)その他の支援
国の支援策は、内閣官房のまとめた一覧がわかりやすいです。
その他、県、市区町村が独自の支援策を出していることもあるので
ホームページで確認するあるいは電話で問い合わせましょう。
3.アルバイトをする
体は使いますが、確実にお金が入ってくる手段です。
どうせアルバイトをするなら、ミシュランシェフの村山さんがサイゼリヤでアルバイトをしたように、目的をもって(自分の本業になにかプラスになること)働いてみてはどうでしょうか。
本業にプラスになることにこだわりすぎると仕事を見つけられなくなります。若い人たちや外国人など普段接しない人たちと触れ合えたり、本業とは全く違うことに取り組むことで、リフレッシュできたり新たな気付きがあったりと言ったメリットがあるはずです。
4.条件変更や借り換え
ボーナス払いの危険が身に染みた場合は、今後を見据えてローンの条件変更や借換でボーナス払いを無くしておきましょう。
当面低金利状態が続くと思われるので、もし現在利用しているローンの金利条件が良くないならば
この機会に借り換えを検討してください。
1.の対応で、すでに条件変更が完了していればこの対応は不要です。
新型コロナに便乗したサービスに注意
➀高金利のローン
銀行や消費者金融では、カード(フリー)ローンを●月までは特別金利とか、実質無金利キャンペーンとうたってをすすめてきます
返さないといけないお金ということを忘れずに、必要な額を冷静な判断で借入してください。
➁便乗詐欺多発
新型コロナに便乗して、給付金詐欺、悪質商法が急増しているようです。
子供のときに言われていたように、知らない人についていかない、お菓子をもらってはいけない(甘い話に乗らない)ことを常に念頭に置いて生きてください。
通販サイト(Amazonや楽天)や金融機関に成りすましたフィッシングメールも増えていますので注意です。
警察庁・消費者庁・国民生活センターに多くの事例が掲載されています。
警察庁
消費者庁
国民生活センター
知らない人でも知っている人でも、このサイトの情報も含め他人の言う事は鵜呑みにせず、自分の頭で考えて、自分の手で調べて、自分の目で確かめるということを心掛けてもらいたいと思います。
まとめ
新型コロナの影響で給与・賞与カットされ、住宅ローンが返済できなくなりそうなときの対処法を解説しました。まずは、借りた先に申し出る・相談するということです。
そして、できるだけ追加の借金はせず、借りる場合も冷静に・計画的に、返せる範囲で借りることが大切です。借り過ぎはその後の生活を苦しめます。
新型コロナ後のことも見据えて、ライフプランの見直しも行ってほしいと思います。苦しい時期が続きますが、空けない夜は無いと信じ何とか乗り切りましょう!