こんにちは。ファイナシャルプランナー講座です。
今回は、中小企業の資金計画の2回目として「キャッシュフロー計算書と資金繰り表」を学習します。
FP技能士の試験対策としては、あまり重要ではありません。
しかし、実務、中小企業経営においては、とにかく資金繰りの把握が重要です。特に昨今の新型コロナショックやリーマンショックのように先が見えない状況ではとにかく資金繰りなのです。ということで、今回FP講座から少し外れて資金繰り表の作り方がメインテーマになっています。
キャッシュフロー計算書
まずは、キャッシュフロー計算書のことを知りましょう。
キャッシュフロー計算書は、次の3つの活動によるキャッシュフローで構成されます。
「営業活動によるキャッシュフロー」:売上の入金や仕入代金の支払いなど、主に本業から得たお金の動きを表す
「投資活動によるキャッシュフロー」:固定資産や有価証券などの購入や売却(投資活動)によるお金の動きを表す。
「財務活動によるキャッシュフロー」:資金の調達・返済によるお金の動きを表す。
上場会社は、証券取引法の定めでキャッシュフロー計算書の作成義務がありますが、中小企業には作成義務がないためほとんどの中小企業がキャッシュフロー計算書を作っていないと思われます。
資金の動きを把握しないと命取り
しかし、企業は、お金がなくなったら、つまり払うべきもの(仕入代金、従業員の給料、借入の返済、税金納付など)が払えなくなったら、破たんです。お金の動きを把握していれば、先に資金調達なり、支払の延期なり、優先順位の低い設備投資の先送りなり対策を取ることができます。
では、上で説明したキャッシュ・フロー計算書を作ればよいのかというとそうではありません。上述のキャッシュ・フロー計算書は、貸借対照表や損益計算書から作られるキャッシュフローの「結果」だからです。
大切なのは、これから先のキャッシュフローです。
資金繰り表を作る
これから先のキャッシュフロー表、それが資金繰り表です。言葉の意味は、キャッシュフロー表も資金繰り表もほぼ同じかもしれませんが、未来のお金の動きを把握する表を資金繰り表と呼びます。決まった形はありません。
10日毎の資金繰り表の雛形です。エクセル(表計算ソフト)があれば簡単に作ることができます。
お金の出入りの量や頻度によって、日、週、10日、半月、1ヵ月といった単位で管理できるような表に作り替えればよいだけです。
パソコン使えない、取引数が少ない場合は、100円ショップの手帳でいいので資金繰り表を作ります。
資金繰り表の記入手順
お金の見込を書くわけですが、適当に数字を入れても意味がありません。
➀まずやるべきことは、
今の取引先、支出を洗い出し、支出予定を表に書き込んでいく
多額の支出・返済の予定を書き込む
➁次に
売上の入金予定を書いていく
残高を確認する
残高がマイナス、あるいは危ないところがないかを確認
➂最後に
打てる手を考える
という流れで作ります。
打つ手として、次のような手ことを考えます。
- 昨年実績や季節や月ごとの売上のブレを反映して、余裕があるかを確認。
- 経費の支出を抑える、支払を遅らせる
- 売掛の回収急ぐ、売上伸ばす
- 短期の融資をお願いする
以上、資金繰り表作成の流れでした。お金の流れを把握しておくと、先手が打てるということです。