ライフプラン、キャッシュフロー表の作り方
googleスプレッドシートやMicrosoftのExcel(エクセル)を使ってライフプラン(ライフイベント表とキャッシュフロー表)を作る手順を解説します。
Excelを使い慣れていない人(初心者)のために、画像を付けて説明しています。
(1)ライフプランを作る意味
最初にライフプランを作る意味・目的を考えてみたいと思います。
ライフプランとは、生活設計、人生設計とも呼ばれ、金融広報委員会では次のように説明されています。
将来に向かって、望ましい、こうありたいという生活像を描き、そのような生活はどのような条件・状況のもとで実現可能かを考え、目的達成のため、具体的計画を立てること。
出典:金融広報中央委員会「知るぽると 金融用語解説」(2020/9/16参照)
金融広報中央委員会とは…
昭和27年に貯蓄増強中央委員会として発足し、貯蓄広報中央委員会(昭和63年)を経て平成13年に現在の金融広報中央委員会に名称を改め、金融に関する情報普及活動を行っています。都道府県庁、財務省財務局・財務事務所、金融経済団体、消費者団体、日本銀行本支店等で構成される組織です。
人生の目的達成に向けた具体的計画がライフプランです。
つまり、将来の目的までの道のりを「見える化」することが、ライフプランを作成する目的です。
人生は、計画通りに進むはずがないのに、なぜ、計画を立てたり、見える化する必要があるかというと、今、目の前に分岐点があった時にどちらに進むべきかを判断をするためです。
今の状態が順調に続いていった場合にどうなるのかを知ること、そして、今どちらかの道を選ぶとその先がどう変化するのかを確認することがライフプランを作る目的になると思います。
例えば、今自分が死亡したとき家族が生きていくための費用がいくらかわかれば、生命保険の保障額はいくらにすべきか、購入後キャッシュフローはどう変化するかがわかればいくらの住宅を購入できるかなど、が判断できるわけです。
(2)キャッシュフロー表の枠を作る
標準的なキャッシュフロー表は次のような項目で構成されています。
家族の構成、年齢
家族のイベント
収入
支出
年間収支
貯蓄残高
➂B列に中項目を入力していきます。
中項目の記入欄が足りない時には、行を挿入します。
- 家族の構成(人数分の行を挿入する)。
例は4人家族で作成。 - 収入:給与、その他の収入(資産運用分を除く)
- 支出:一般的な支出の中項目には次のようなものがある。
-基本生活費
-住居費(家賃や管理費・修繕積立金(修繕費)、固定資産税)
-住宅ローン返済(住居費に含めてもいい)
-教育費
-保険料
-その他
➃C列に変動率という欄を作っておきます。
変動率とは
収入や支出が前年に比べてどれくらい変化(増加)するかを示す割合です。
収入であれば昇給率、資産運用であれば期待利回り、生活費であれば物価変動率を記入します。収入も支出も変化しないという見通しを立てた場合は、0になります。
変動率をどう決めたらいいかを考えてみました。
(ア)昇給率の決め方:勤務先・職業によって異なるので、勤め先の年齢別のモデル給与がある時にはそれを基に決める。モデル給与がない場合は、年齢別の平均年収を基に決める
⇨DODA社が公表している平均年収は、年齢別・地域別・職業別になっています。https://doda.jp/guide/heikin/
平均はだいたい2.5%です。
現在の給料400万円、昇給率を2.5%とした場合、
現在・・・400万円
1年後・・・400万円×(1+0.025)=401万円
2年後・・・400万円×(1+0.025)²=420.25万円
3年後・・・400万円×(1+0.025)³=430.76万円
と計算します。
現在の収入×(1+昇給率)ⁿ=n年後給料です。
Excelで作る場合は次の2通りの方法があります。
➀FV関数を用いて計算
➁計算式をそのままいれて計算
=400*(1+0.025)^n(n年後の給与を求めるとき。^は乗数)
手順
- ➀B1に今の給与を入れる
- ➁B2に昇給率を入れる
- 経過年数行を作り、横に必要な年数分コピーする(縦にも作れる)
- ➂FV関数を次のように入力
利率に、昇給率(B2)
期間に、経過年数行(C)
定期支払額は、空欄または0
現在価値は、現在の年収(B1)
支払期日は、0を入れてください。
FV関数は、マイナスで表示されます。プラス表示にしたいときは、FVの前にマイナスを付けてあげます。(下の画像)
【=$B$1*(1+$B$2)^B3】
C6列以降に、右に向かって貼り付けます。➂と➃は同じ結果になります。
- 数式をコピーして違う場所に貼り付けすると、参照するセルの番号も同じ距離だけ移動します。現在の給与(B1)や昇給率(B2)のように固定したい参照元があるときは、「F4」を1回押してください。その参照元は固定され、コピーして貼り付けた先でも変化しなくなります。参照元がB1だとすると、F4を1回押した後は、$B$1となります。
- ちなみに
F4を2回押すと、B$1となり、3回押すと$B1となります。4回目は1周回って、元のB1になります。
B$1は、行(縦)を固定したちときに
$B1は、列(横)を固定したいときに使います。
(イ)期待利回りの決め方:リスクも考慮して、自分で目標設定してください。
(ウ)物価変動率の決め方:直近20年の消費者物価指数は、年平均にすると+0.1%(前年比)程度です。2%の物価上昇率を目指した2012年以降でも、だいたい+0.7~0.8%。これからどうなるかはわかりませんが、経済が成長してもらわないと資産も給料も減るかもしれないので、この計画表では1%の物価上昇率で作成します。
➄枠線を引く・年・年齢を記入
枠線を引き、現在の暦年・年齢を入力します。
表を伸ばしたいところで、マウスの左ボタンから指を離します。もしコピー元に数字や文字があると、それらもコピーされてしまいます。
枠だけをコピーしたい場合は、表を伸ばした先に現れるオートフィルオプションを押し、
選択肢の中から、書式のみコピーを選択すると文字や数字はコピーされず枠だけがコピーされます。
書式コピーボタンも使いやすいですが、使い方説明は割愛します。
最後に、暦年、西暦を入力します。
<ライフプラン・キャッシュフロー表の作り方2>に続きます。
?FP講座のつづき<6つの複利係数<ライフプランニングの考え方➂>