宅建業とは<不動産の取引➀>

③不動産マネー講座
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宅地建物取引業とは

宅地建物取引業者とは、以下の取引を業として行う者をいいます。

  • 自らが当事者として、宅地、建物の売買・交換を行う
  • 第三者(売主や買主など)の依頼で宅地、建物取引(売買・交換・貸借)の代理・仲介を行う
代理:代理権を与えられて土地・建物の売買や交換を行う
仲介:他人と他人の売買や交換、貸借の仲介をする

 

宅建業は、不動産業の一部です。宅建業以外にどのような業務があるでしょうか。不動産業者は流通、賃貸、開発(分譲)、管理に分けることができます。

不動産の取引の全体図 FP技能士試験講座

そのうち、宅地・建物の流通(売買や交換)を自らあるいは依頼者の代理・仲介を行う人、賃貸の代理・仲介を行う人が宅建業者です。

宅地とは、建物の敷地に供せられる土地(宅建業法第2条)

自らが貸主(貸付)になる場合は、宅建業免許は不要。大家業でも売買を繰り返していると宅建業免許がないと違法になっていしまうことがあります。

宅建業法とは

業務の適正な運営と宅地や建物の取引の公正の確保、宅地建物取引業の健全な発達の促進、購入者等の利益の保護と宅地や建物の流通の円滑化を目的とした法律です。

宅地建物取引業免許と宅地建物取引士

宅地建物取引業者は、国土交通大臣都道府県知事から免許を受けなければなりません。

国土交通大臣免許:2つ以上の都道府県に事務所がある
都道府県知事免許:1つの都道府県内に事務所がある

宅地建物取引業の事務所には、各事務所、従業員5人に対し1人以上専任の宅地建物取引士(宅建取引士)を設置することが義務付けられています。

宅建取引士の試験に合格後、都道府県で登録し、宅地建物取引士証の発行を受けている人が、専任の宅地建物取引士になることができます。

宅地建物取引士の業務内容(独占業務)

宅地建物取引士の業務内容は、次の3つです。

  1. 契約が成立する前に、売買・交換・貸借の当事者(売買:買主、貸借:借主、交換の場合は両者)への重要事項説明書の交付・説明<説明時に宅建取引士証を提示しなければならない>
  2. 重要事項説明書への記名押印
  3. 契約書への記名押印

媒介契約

媒介(仲介)契約には3種類があり、書面で締結します。

一般媒介

専任媒介

専属専任媒介

一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
➀お客様が媒介
依頼できる
宅建業者の数
複数
依頼できる明示型と
非明示型がある
依頼できるのは
1社のみ
➁自己発見取引
(依頼者が自分で
取引先を探す)

直接契約が
認められる

×

(自身で相手先
を探してもよい
が業者を仲介に
入れなければ
ならない)

➂契約の
有効期間

制限なし

(但し,行政指導は
3か月以内)

3か月以内
④更新 更新特約を
付けて自動
更新できる
依頼者の申し
出がないと更新できない

契約に自動更新
と記載あっても
無効となる
⑤指定流通機構
(REINS)への登録
任意 7営業日以内 5営業日以内
⑥状況報告
の義務
任意 2週間に1回以上
仲介業者は
お客様へ
報告しなけれ
ばならない
1週間に1回以上
仲介業者は
お客様へ
報告しなけれ
ばならない
⑦共通の
媒介業務
➀根拠の明示:媒介や査定の
価格に意見を述べる時は、
根拠を示す➁重要事項説明:契約成立
までに重要事項説明書を
交付・説明➂契約書面交付
契約成立時には契約書面
を作成・交付

➃事務の補助
契約成立後の登記・決済
手続き等引渡しの事務を
補助

媒介報酬の限度額

宅建業者が依頼者から受け取ることができる報酬(仲介手数料)は、宅建業法で限度額が決められています。

売買

物件価格400万円超の場合:物件価格×3%+6万円+消費税

200万円超400万円以下の場合:物件価格×4%+2万円+消費税

200万円以下の場合:物件価格×5%+消費税

 

低廉な空き家等の売買の場合、上記手数料+調査費用を請求することができます。

但し、上限は18万円+消費税となります。

売買価格400万円のとき、仲介手数料が18万円+税となるため、

低廉な空き家等とは、400万円以下の価格の物件ということになります。

 

貸借

借主・貸主から受け取れる報酬の合計は、家賃1ヵ月分以内

住居の場合、借主・貸主それぞれ0.5ヵ月が上限となる。

但し、承諾があれば、片方から1ヵ月分を受け取ることができる。

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契約書や重説にさらっと書いていて、さらっと説明されることがあるので借主は要注意。

 

仲介手数料裁判の判例(承諾を取らずに1カ月分手数料を取っていた業者が敗訴)

仲介手数料裁判 東急リバ敗訴
元・入居者の男性が賃貸仲介手数料の一部返還を求めて東急リバブル(以下東急・東京都渋谷区)と争った裁判の上告審判決で、東京高裁は14日、東急側の上告を棄続く

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