債券の価格変動
債券は満期(償還期限)まで保有していると額面金額が出ますが、途中で売却する時は市場価格で売却することになりますが、その時に売買される債券の価格は、主に金利の動きに影響を受けて変動します。
このページでは、債券価格の変動と金利の関係、そして債券価格の変動幅について説明しています。
市場金利が上昇 → 債券価格が下落
金利上昇すると債券価格が下落する理由を単純化して説明します。
表面利率1%で発行された債券を額面100円で買ったとします。
時は流れ、市場金利が3%に上昇しました。市場金利にあわせて3%の債券が発行されます。その時、表面利率1%の債券を額面の100円で売ろうとします。
しかし、3%の債券と比べて投資の魅力がないため買おうとする人がいません。
そこで、3%の債券の利回りに対抗できるくらい債券価格を値下げしました。
そして、買い手が見つかりました。
市場金利が下落 → 債券価格が上昇
表面利率1%で発行された債券を額面100円で買ったとします。
時間が流れ、市場金利が0.2%へ下落しました。
市場金利を上回る利回りが得られる1%の債券を手に入れようとする人が増えます。
債券価格を値上げしましたが、それでも買い手が見つかりました。
債券と金利と利回りの関係がわからなくなったときは、買い手の利回りを基準に得か損かを考えてみてください。
債券価格変動の幅
債券価格の変動幅は、同じ金利でも残存期間の長さ(償還期限までの長さ)、表面利率の高さによって異なります。
【残存期間】
短い:価格変動小さい
長い:価格変動大きい
左(期間が短い)と右(期間が長い)では、どちらが高く売れそうですか?
【表面利率】
低い:価格変動大きい
高い:価格変動小さい
なぜ表面利率が低いと債券価格の変動幅が大きくなるのか
この図は、表面利率の2%と5%の債券で市場金利の変動などで期待する利回りが±1%変動すると債券価格はどうなるかを単純計算したものです。
2%の債券:100円で5年間の利息を合わせて110円。
1%の金利上昇で3%の利回りが求められるとなると、110円は変わらないので
110円÷(1+(3%×5年)=95.652円(4.348円の債券価格下落)
一方、表面利率5%の債券100円:5年間の利息を合わせて125円
1%金利上昇で6%の利回りが求められるとなると、125円は変わらないので
125円÷(1+(6%×5年)=96.154円(3.846円の債券価格下落)
表面利率が低い2%の債券の方が、5%の債券に比べて、下落(変動)幅が大きいということがわかります。