所得控除とは
所得税の計算は次のような流れで行われる。収入から必要経費を差し引いた所得金額から控除されるのが『所得控除』。所得控除後の所得が課税所得金額で、これに税率を掛けると基準となる所得税が算出される。(基準)所得税から直接控除されるものは、税額控除。
給与をもらっている人の「給与所得控除」は、名前に所得控除が入っているが、ここのテーマである所得控除の1つではなく、総収入から差し引かれるもので、上図①の必要経費と同じ役割になる。
※給与所得控除後の所得金額は国税庁のHPで計算できる
No.1410 給与所得控除|国税庁
15種類の所得控除
15種類の所得控除をできるかぎり簡単に一覧にまとめた。
所得控除の種類 | 概要(対象の人) | 控除額 |
基礎控除 | 所得が2,500万円未満の人 | 0円(所得2,500万円超)~
48万円(所得2,400万円以下) |
扶養控除 | 扶養対象親族がいる人
…同一生計、所得48万円以下(給与収入のみの場合103万円以下)など |
一般の控除対象扶養親族:38万円
特定扶養親族:63万円 老人扶養親族:同居58万円、同居以外48万円 |
配偶者特別控除 | 本人所得1,000万円以下、配偶者48万円超133万円未満で受けられる | 1万円~38万円
(本人合計所得900万円以下、配偶者48万円超95万円以下のとき最大) |
配偶者控除 | 本人所得900万以下で配偶者48万円以下なら控除額は38万円、配偶者70歳以上なら48万円 | 一般:13万円~38万円
70歳以上(12/31時点):16万円~48万円 |
勤労学生控除 | 学生で給与所得あり
合計所得金額75万円以下 |
27万円 |
ひとり親控除 | 年末時点でひとり親。合計所得は500万円以下。
子は他の人の配偶者や扶養親族でなく所得48万円以下で該当。 |
35万円 |
寡婦控除 | 年末時点で寡婦(子がいればひとり親)
夫と離婚後、扶養親族無し・内縁夫あり・所得500万円超は該当しない。 |
27万円 |
障害者控除 | 本人、配偶者、扶養親族が障害者 | 障害者:27万円、特別障害者40万円
同居特別障害者:75万円 |
寄附金控除 | 国や地方公共団体などに寄附をした人(ふるさと納税はこれ) | ①寄付金の合計、②総所得金額×40%
(①・②どちらか低い金額)-2,000円 =控除額 |
地震保険料控除 | 地震保険料を支払った人 | 年間保険料5万円以下:全額
年間保険料5万円超:50,000円 |
生命保険料控除 | 生命保険料、介護医療保険料または個人年金保険料を支払った人 | 所定の方法で計算した金額:最高12万円 |
小規模企業共済等
掛金控除 |
次の掛金を支払った人
①小規模企業共済、②確定拠出年金(個人型はiDeCo)③心身障害者扶養共済 |
掛金全額 |
社会保険料控除 | 社会保険料を支払った人
本人分と生計同一の配偶者や親族等の負担すべき社会保険料 |
支払った・差し引かれた社会保険料の金額全額 |
医療費控除 | 本人や生計同一の配偶者・親族のために医療費を支払った人 | (支払った医療費の合計額-保険金・給付金等の金額)-10万円 |
雑損控除 | 災害、盗難もしくは横領で損害を受けた人 | ①、②どちらか多い方
①(損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等額)-(総所得金額等)×10% ②(災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円 |
出典:国税庁「所得控除のあらまし」