総務省の家計調査を使って、21年前、11年前、昨年(2001年、11年、21年)の支出の内訳がどのように変化しているのかを見ていきます。今回は単身世帯です。
総世帯編はこちら

住宅費や住宅ローン返済は世帯・地域ごとの違いが大きいので取り除いています。図・データはすべて総務省の家計調査を基に作成しています。
元データは年間の支出ですが、このページで使用している数字は12で割った1か月当たりの支出額です。
全世帯の支出の内訳
単身世帯の支出の内訳は次のようになっています。
2001年・2011年は「食費」、「その他の消費支出」、「教養娯楽」がTOP3でしたが、2021年は「交通・通信」が教養娯楽に入れ替わる形となりました。
「その他の消費支出」の中身は、理美容費用、冠婚葬祭費用、交際費などです(他の品目に含まれない支出がすべてここに含まれるため、金額が大きくなっています。)
「教養娯楽」は教養,娯楽,趣味に必要やモノやサービスへの支出で、モノではテレビやパソコン、楽器、文房具、スポーツ用品、ゲームやおもちゃもここに含まれます。サービスでは、習い事、旅行、音楽・演劇鑑賞やスポーツ観戦、テーマパークなどがあります。インターネット接続代も教養娯楽です。
「交通・通信」は、交通費や自動車の購入や維持費用、そしてスマートフォン代金や通話料、郵便代金などが含まれています。
支出額の変化
支出額全体は、総世帯と同様棒グラフが短くなっていることからもわかるようにじわりと減少してきています。
グラフでは品目別の増減がわかりません。20年間の品目別の変化を見るために、減少した支出品目と増加した品目とに分けてみます。
減少した品目
食料
住居
交通・通信
被服及び履物
教育
教養娯楽
その他の消費支出
10のうち7項目でマイナスとなっています。大きく減少しているのは総世帯と同じく被服・履物。20年前と比べて、44.3%減少しています。教養娯楽は27.6%、その他の消費支出は20.9%と大きく減少しています。2021年に支出額で教養娯楽を上回り3位になった交通・通信も20年前と比べると7%減少しています。
増加した品目
光熱・水道
家具・家事用品
保健医療
総世帯では保健医療だけがプラスでしたが、単身世帯は、3つの品目が増加しています。、
保健医療は、健康の維持や病気の治療,そして身体の矯正への支出などがあります。中でも健康食品(サプリメントも含む)への支出は20年前と比べて2倍近くの増加です。
おわりに
もし、昔の感覚のままでいると、安くできるはずの支出に気付かずに損をし続けることになるかもしれません。収入を増やす・お金を貯めるためには支出の把握、キャッシュフローの把握が欠かせません。直近の統計データを基準にして、世帯の支出がどうなっているのかをまだ把握できていない人は今すぐにチェックしてみてください。
【参考】家計の支出をパレート図などを使って分析するシート
【参考】平均や自身の過去データと比べて点数を出すチェックシート
企業の財務分析のような分析ができるExcel家計分析シート(家計チェックシート②)