がん保険はいらない?がん保険の掛金と保険金を計算してみた

①家計見直し・ライフプラン④生命保険・損害保険
スポンサーリンク

がん保険はいらないのか計算してみた

保険会社の人から2人に1人ががんになるから、がん保険に入るべきだと言われ、一方でがん保険は必要ない・無駄だという意見もあるので、がんの発生率や入院日数でどんなものなのかを計算してみました。

途中の計算に正確ではない部分があるかもしれません。

がんになる確率

まず、がんになる確率がどれくらいかを調べました。

年齢別にみると年齢が高くなるほどがんになる率も高くなっていますが、数字でみると最も高い80代の男性でも4%弱です。

年齢別がんになる割合

出典:公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2022」を基に作成

100人に4人と言われれば大したことないと思いますが、半分の人が「がん」になると脅されるように言われると、不安を感じます。これを一生分足していくと半分くらいの人ががんになるということだと思います。

グラフの見せ方でも上のように4.5%を最大にして書くとがんになる人が多いように感じますが、100%を最大にすると、下のようになります。

年齢別がんになる割合2

がんになる確率は年齢ごとに見るとそれほど高くありません。交通事故にあう確率は、約0.2%*ですので交通事故に遭う確率よりは少しだけ高くなっています

*事故数:305,425件(出典:警察庁HP(https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/toukeihyo.html))
を人口1.25億人で割りました。

2人に1人ががんになる

別のデータを見てみます。

日本人が一生のうちにがんと診断される確率は
男性65.5%
女性51.2%

なんだそうです(2019年国立研究開発法人国立がん研究センターデータに基づく)。

確かに半分以上です。

ですが、あくまで一生の中で診断される確率で、30代、40代の人が今がんになる確率ではありません。死ぬまでにがんにかかる確率です。

がん保険料シミュレーション

40歳の人(ここでは男性)のケースで価格.comで40歳男性の1位の商品を使ってシミュレーションしてみたいと思います。

1位の商品は、1カ月の保険料が2,550円です。保険金(がん給付や入院給付)は、がんを診断された時の一時金100万円と入院給付金として20万円で合計120万円としました。入院給付金は、がんの全年齢の平均入院日数19.6日(厚生労働省「令和2年患者調査」)を用いて1日1万円として計算しています。細かいオプションは、計算を複雑にするのでシンプルに考えることにします。

この表の保険料や想定給付金は自由に変えてもらうことができます。年齢は40歳スタートのみですが、性別は変えるとがんになる確率が変化します

表示に時間がかかると思います。ご了承ください。

画像右下にあるボタンのうち右端のボタン(フルサイズでブックを表示)を押すと大きく表示されると思います。
同じものを画像データでこのページの最下部に貼っておきます。

120万円に確率を掛けた金額が期待値です。

40歳でがんになる確率は0.12%のとき、保険金として戻ってくる平均は1,428円です。言い換えると、40歳の人が1年間で100万円の保険金を受け取れるのは、1万人のうち12人ということです。

1年間で払う保険料は3万600円なので、戻ってくる率は4.7%です。ここでは還元率という項目名にしています。つまり95.3%は胴元である保険会社に収まることになります。

年齢が上がると還元率も高くなりますが、いくつになっても還元率が100%になることはありません。保険会社がどの年齢でも必ず勝つようにできているようです。

表を下に進めていくと年齢が上がっていきます。79歳の時に掛けてきた保険料が保険金を上回ることになります。一番右の列で、その年齢でがんと診断されて保険金を受け取ったとき、保険料に対していくら得したかを見ることができます。

今回、生命保険料控除はこの表には含めませんでした。税率が個々人で違うので節税効果にも違いがでるためです。ちなみに、がん保険の生命保険料控除は、介護医療保険料控除として、所得税分4万円、住民税分2.8万円を上限に所得から控除されます。

所得控除された金額に所得税率と住民税率を掛けた金額が節税効果ということになります。所得税率は所得額に応じて税率が異なりますが、住民税率は一律10%です。

まとめ

  • がん保険は掛けたお金の割に保障が小さい
  • がんになる確率も保険に加入できる年齢の間は高くない
  • 掛け捨てのがん保険料は保険金以外で戻ってこない
  • ただ、120万円がどうしても貯められない人は加入も良し
  • がんが不安で仕方ない人は、安定剤の代わりになるなら加入も良し
  • 損するかもしれないけど、相互扶助の精神とはこういうものだと思える人は(あるいは保険会社を儲けさせたいと思うならば)加入も良し

がんの年齢別確率とがん保険料の関係

 

タイトルとURLをコピーしました