個人型確定拠出年金=iDeCo(イデコ)を利用できる対象者の範囲が広がり、ほぼ全ての職種の人たちがiDeCoに加入できるようになりました。自分たちで老後資金は確保しないといけない時代が目の前まで来ているようです。
その中で活用すべき制度の1つであるiDeCoの特徴をまとめてみました。
iDeCo(イデコ)とは自分で運用できる年金
個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)とは、法律に基づいて実施されている私的年金制度のことです。公的年金に上乗せして受け取れる年金です。
個人が自分で申し込み、掛金を払い、運用方法・商品を選び、掛金とその運用益との合計額を年金として給付を受けとります。
加入できる人の範囲・上限額が年々広がっていて、税制優遇等のメリットも多いので、老後資金のための資産形成・資産運用を行う上で無視できない制度です。
iDeCoのメリット
個人型確定拠出年金iDeCoのメリットをまとめてみました。
メリット1)掛金が所得から控除される
掛金は全額、小規模企業共済等掛金控除の対象です。所得から掛金が控除されるので、所得税や住民税を軽減します。
確定申告や年末調整で保険料控除と同じように申告します。
国税庁のホームページ→https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1135.htm
メリット2)運用益が非課税
金融商品の運用益は、課税(源泉分離課税20.315%)されますが、iDeCoの制度内で運用された利益は非課税です。運用で得られた利益は、現金でもらえるわけではなく、再投資されます。つまり複利効果が得られるということ。
メリット3)受け取るときにも所得控除がある
年金は、年金として受け取る以外に一括で受け取ることもできます。受け取り方によって異なる所得控除が受けられます。
一括(一時金)で受け取る場合:退職所得控除
年金で受給する場合:公的年金等控除
iDeCoのリスク・デメリット
良いところだけではなく、当然リスクやデメリットがあります。
1.元本は保証されない
自分で運用するので、もらえる額が掛金より少なくなることもあり得えます。
元本保証はされず、自己責任ということです。
2.原則60歳まで現金化できない
原則として途中で換金して引き出すことが認められていません。
受けられるメリットや人生の計画を考慮して、現金や確定拠出年金以外の金融資産や不動産などバランスよく配分しなくてはいけません。
3.手数料がかかる
手数料がかかります。金融機関によって金額が異なります。運用利回りを押し下げる要素ですので要確認です。
国民年金基金連合会、運営管理機関、事務委託先金融機関の関係者それぞれにかかる手数料があります。運用商品に投資信託を選んだ場合には、さらに信託報酬等がかかります。
【加入時】
国民年金基金連合会:2,829円
【掛金支払時】
国民年金基金連合会:105円
運営管理機関(信託銀行):66円
事務委託先金融機関(銀行や証券会社など):0円~
2022年10月時点の掛金支払時手数料の最安は、171円(105円+66円)
運用商品として投資信託を選択した場合は、別に信託報酬等の手数料がかかります。
【年金の給付を受けるとき】
各社共通:440円(1回の給付ごと)
確定拠出年金の掛け金は、月々5,000円から始められ、1,000円単位で上限まで自由に設定できるので
仮に5,000円の掛金でiDeCoを始めたとします。手数料は、最低水準の171円です。
このときの手数料の割合は、5,000円の3.42%ということになります。運用損が3.42%でている状態でスタートするのと同じことです。掛金20,000円の場合は0.85%です。少しお高めですが何とかなりそうな手数料です。
手数料率として見ると掛金5,000円では、少し厳しいかもしれませんが、税金が軽くなる分もあるので、全体を見て判断すると良いかと思います。
<h3>どこで加入できる?</h3>
証券会社や銀行などで加入手続きを行うことができます。
特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会のiDeCoナビでは、いろいろな角度で金融機関の比較ができるのでおすすめです。
おわりに
iDeCoは、老後の資産づくりのためには、絶対に活用すべき制度です。ただ、途中現金化ができないという欠点もあるので、現役の間の緊急資金は他の方法で確保しつつ、iDeCoに資金を投入していきましょう。
資産を増やせるかどうかはその人の運用次第です。定期的に商品を切り替えるなどして資産のバランスを見直すことがとても重要になってきます。